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美と教養と見栄と意地が溢れる珊瑚礁の五百年王国は悩んでいた。 少女まづるは憧れの王府を救おうと宦官と偽り行政官になって大活躍。 しかし待ち受けていたのは島流しの刑だった――。 見せ場満載、桁外れの面白さ!
珊瑚礁王国の美少女・真鶴は性を偽り、宦官になる―。 前人未踏のノンストップ人生劇場。
ただし、これを読む時には、ライトノベルだ!と思って、エンターテイメントとして割り切って読まないと、肩透かしを食らってしまう。 僕は、「そここそがいいんじゃあないか!」と思うけれども、歴史大河小説を期待すると、その「軽さ」とエンタメ重視の姿勢に、つまらなく感じてしまう人もいるだろう。 けれども、こういう味付けをしないで、だれが、琉球王国の歴史なんて言うマイナーな部分を小説化してくれるだろうか?、 そういう意味では、著者の戦略と功績は大きいと思う。
もちろんある程度戯画化(カリカチャアライズ)されているとしても、なるほど、琉球王国というのはそういう存在で、そういう「美」があったのか!と思わせる、知らしめさせる物語世界の美しさには、感動します。 ライトノベルの萌え小説として「も」読める、というところにこの小説の素晴らしさがあると僕は思います。 この作家の知識の豊富さと、 その史実をベースにした創造力に脱帽。 半端じゃない。 昔の『ベルバラ』っぽくて、とてもいい味を出している。 エンターテイメントとして「時間を忘れて」読むふける、という時間が欲しい方にはぴったりです。
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17歳のおちかは、実家で起きたある事件をきっかけに、ぴたりと他人に心を閉ざしてしまった。 ふさぎ込む日々を、江戸で三島屋という店を構える叔父夫婦のもとに身を寄せ、慣れないながら黙々と働くことでやり過ごしている。 そんなある日、叔父・伊兵衛はおちかを呼ぶと、これから訪ねてくるという客の対応を任せて出かけてしまう。 おそるおそる客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていく。 いつしか次々に訪れる人々の話は、おちかの心を少しずつ溶かし始めて…哀切にして不可思議。 宮部みゆきの「百物語」、ここに始まる。
江戸の神田三島町の一角に店を構える袋物屋の三島屋。 訳あって、その店の主人である叔父夫婦のもとに預けられ、働くことになった十七歳のちかが、店の「黒白の間」で、そこを訪れる人たちの不思議で怪しい話を聞いてゆく。 不思議で怪しい、切なさと怖さ、恨みと憎しみ、割り切れぬ思いなどが絡まり合ってゆく。 曰く、変調百物語。 その聞き手となった主人公のちかが、語り手となる人たちから百物語の話を聞いていくことで、語り手とそこに関わる人たちの呪いを浄化し、それとともに、自らが負った災厄の根っこを見つめ、逃げずに相対してゆくようになるのですね。 第一話「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」の話から、「お! これは、読ませるじゃないか」と、話の中に引っ張り込まれ、「凶宅」「邪恋」「魔鏡」と読み進めていくうちに、いつしか夢中で読みふけっていました。 とりわけ、「魔鏡」「家鳴り(いえなり)」と続く終盤、物語の第四コーナーの一瀉千里、怒涛の勢いは圧巻。 「魔鏡」に出てくる美しい登場人物は、殊に印象強烈。 怖かったなあ。 上村松園の『焔(ほのお)』という絵に描かれた女性がゆくりなくも思い出されまして、ぞおっとしました。 登場人物の伊兵衛の言う、<何が白で何が黒かということは、実はとても曖昧なのだよ>との言葉が、ことのほか印象深く、忘れられません。 ここはおそらく、著者の敬愛する岡本綺堂『半七捕物帳』の記念すべき第一話「お文(ふみ)の魂」を念頭に置いています。 本書をはじめ、宮部さんの江戸時代ものの小説の雰囲気、 なかでも怪しの雰囲気には、岡本綺堂の『半七捕物帳』『三浦老人昔話』『青蛙堂鬼談(せいあどうきだん)』などの作品に非常に通じるものがあります。 未読の方は、そちらもぜひ、お読みになることをおすすめいたします。
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僕は、あの頃の先生より歳をとった―それでも、先生はずっと、僕の先生だった。 受験の役には立たなかったし、何かを教わったんだということにさえ、若いうちは気づかなかった。 オトナになってからわかった…
教師と教え子との、懐かしく、ちょっと寂しく、決して失われない物語。 時が流れること、生きていくことの切なさを、やさしく包みこむ全六篇。
教師って完璧ではない。 責めることは出来ないけれど、 もう少しどうにかならないものか・・・と思う教師もいる。 でも、振り返ったときに生徒と生徒の関係はどれも悪い思い出として残っていない。 もちろん現実ではそういうことばかりではないけれど、自分の経験を振り返ってみても生徒のときはすごく嫌いだった先生でも今思い出すとなぜか許してしまえたりしている。
「センセ、オトナにはなして先生がおらんのでしょう。
大事件も起こらないし、ヒーローもヒロインもいないけれど、「いい話しだな・・・・」と思える心暖まる短編集。 学校の先生って、実は人生を左右するほどの存在だけど、給料は驚くほど安いよな。(僕は教師じゃないけれど)。 幼稚園や小学校の低学年ほど、「いい先生」が必要なので、もっと給料を上げて欲しい、と、これは本書には関係の無い話し。
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あと1年。 死ぬ日を待ち続ける。 それだけが私の希望――。 かりそめに生きることは、もうできない。 選んだのは「死」。
一方で、不思議な自殺の連鎖を調べる記者。 そこに至るただひとつの繋がり。 「生」の意味を現代に投げかける、文句なしの最高傑作!
簡単に想像できる定年までの生活は、絶望的な未来そのものだった。 死への憧れを募らせる孤独な女性にかけられた、謎の人物からのささやき。 「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか? 1年頑張ったご褒美を差し上げます」 それは決して悪い取り引きではないように思われた――。
「この先、このまま生きていっても、きっと何も変わらないだろう」と、自分の人生に絶望し、自殺することに決めた女性。 死を決意した彼女の一年間を追っていく話をAとすると、複数の自殺者の死の特異な共通点に気がつき、その真相を調査していく週刊誌記者の話はB。 AとB、今から一年と数ヶ月前に話がはじまる前者と、ある共通点が見受けられる自殺が続いた現在から話がはじまる後者が交錯する形で、ストーリーが進んでいくミステリ。 終盤に向かうに連れてぐんぐん面白くなっていき、目が離せなくなってしまう。
一年後に自殺することを心の拠り所にして生きていく女性の変貌、生き生きとした人間らしさを取り戻していく姿、その変化が魅力的に描き出されている。 そこが、まず素晴らしい。 一年間の暇つぶしのためにとボランティアすることになった養護施設で、子どもたちやスタッフと過ごしていく中、彼女は変わっていく。 終盤、彼女の心境と行動の変化にすっかり魅せられ、胸にこみ上げてくるものがある。
全く念頭になかったので、これにはすっかりダマされてしまった。 背負い投げ一本、てな感じですかね。 著者に投げ飛ばされてから、あわてて前の頁に戻って読み返しまして、「ああ、不覚。ああ、錯覚」と、自分の頭をこつんと叩いた次第。
ミステリー小説とも言えるが、ミステリーの境地を超えた「生」と言うテーマが、根底に流れている。 「死」というテーマを全面に押し出し「生」の意味を考える。 すばらしい構成になっている。 文体も平易で、読みやすく、いっきに読める(と言うか、目が離せなくなる)。
人間、いつ死ぬのかわからないからこそ、今日という日を一生懸命生き らるのかもしれない。 本を閉じて、ふとそう感じた。
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これまた、僕にドンピシャの小説。 僕は中学生の頃、陸上競技の100mと三段跳び、400mリレーをやっていた。 この『一瞬の風になれ』は高校生の陸上への、そして人生へのひたむきさを見事を描いた作品になっている。
主人公である新二の周りには、2人の天才がいる。 サッカー選手の兄・健一と、短距離走者の親友・連だ。 新二は兄への複雑な想いからサッカーを諦めるが、連の美しい走りに導かれ、スプリンターの道を歩むことになる。
どこまでも速くなること。 信じ合える仲間、強力なライバル、気になる異性。 神奈川県の高校陸上部を舞台に、新二の新たな挑戦が始まった――。
新二が走る100m、200m、400mなどを中心に、各競技のスピード感や躍動感が迫力を持って伝わってくる。 特に、本書の山場とも言える4継(4人がバトンをつないで合計400mを走るリレー)では、手に汗握る大熱戦が展開される。 丁寧な人物描写も、物語に温かみを与えている。 生き生きと描かれる登場人物たち、彼らが胸に抱えるまっすぐな想い。 その1つひとつが、小説全体に流れる爽やかさを生み出し、読み手の心を強く揺さぶるのだ。 何かに、ひたむきに打ち込むこと。 風のように疾走する新二や連を追ううちに、読者は、重たい現実を一瞬だけ忘れ、彼らと同じ風になることができるのだ。
しかし書いてあることを要約すれば 「高校生の男が走る」という、ただそれだけだ。 セックス・シーンは皆無。暴力もふるわれない。 人が死ぬ場面もない。 主人公や恋人が 突然白血病になったりしない。 通俗的なドラマで話を盛り上げるために導入される要素が ほとんどない。 それでいて読後には読む前とは異なる世界が眼前に拡がる。 もしかしたらこの世の中はすごく魅惑的なものかも。 そう感じて生き返った気がする。
走るというシンプルなことからも、希望や真実は伝わる。
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