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野間文芸新人賞受賞作。 1通の手紙から羊をめぐる冒険が始まった 消印は1978年5月北海道発。 あなたのことは今でも好きよ、という言葉を残して妻が出て行った。 その後広告コピーの仕事を通して、耳専門のモデルをしている21歳の女性が新しいガール・フレンドとなった。 北海道に渡ったらしい<鼠>の手紙から、ある日羊をめぐる冒険行が始まる。 新しい文学の扉をひらいた村上春樹の代表作長編。
前二作を先に読まないと半分も楽しめません。 「風の歌を聴け」に出てくる主人公「僕」とその親友「鼠」。 この二人がとても魅力的な人物で、彼らへの思い入れこそがこの三部作を楽しむ上で最も重要になります。 あの二人は文学史に残るアイドルになるかもしれない。 夏目漱石の「坊ちゃん」みたいに。 二人は「風の歌を聴け」で20歳前後、「1973年のピンボール」で25歳前後。「羊をめぐる冒険」で30歳となります。 20歳、25歳の彼らとともに青春の苦悩を味わい、”ジェイズバー”でビールを飲み、それぞれの恋をし、バーテンの「ジェイ」と会話を楽しんだ過去があってこそ、30歳の彼らが遭遇する苦難と冒険にのめりこむことが出来るわけです。 「風の歌を聴け」と「1973年のピンボール」に関しては、僕の場合、部分的に20回以上読み返しています。 暗記している場面すらあります。 小説を読み返すタイプではないんですが、この二作は別です。短いですし。
探偵小説と青春小説を混ぜ合わせたような小説。 ドラマチックな場面も多い。 三部作の中でも特に人気の高い作品です。 前二作と違って整ったストーリーと緻密なプロット、構成の巧みさをも楽しめます。特に終盤がいい。 村上春樹の初期長編の最高傑作です。 この「羊をめぐる冒険」のミステリアスな世界がのちの傑作長編「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」、「ねじまき鳥クロニクル」「1Q84」に繋がります。 そういう意味でも村上ワールドが誕生したのが、この「羊をめぐる冒険」なのでしょう。 羊をめぐる冒険は、ハードボイルドな探偵小説でもあり、ラブロマンスでもあり、メルヘンでもあり、いくつかの話の短編集でもある非常に不思議な小説です。 途中まで話がどこに進もうとしているのがさっぱりわからず、場面もめまぐるしく変わります。 羊をめぐって冒険をしているのは主人公ではなくて読者なのです。 読みやすくて、不思議で、上手くて、おもしろい。 村上春樹の良さを知るには、まずはこの一冊(上下で二冊)が良いのではないしょうか。 ラスト10ページは切なく、最後の行を読み終わると、知らず知らずのうちに涙が流れてきました。
つまり人気シリーズなんですね。
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