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【2024/04/23 15:58 】 |
●おすすめの本「パン屋再襲撃」村上 春樹
微妙にくい違った人と人の心が、ふとしたことで和んでいく様を、ユーモアとペーソスをまじえ、深海のイメージによせて描く作品集


彼女は断言した、「もう一度パン屋を襲うのよ」。

学生時代、パン屋を襲撃したあの夜以来、彼にかけられた呪いをとくための、このたくらみの結果は…。

微妙にくい違った人と人の心が、ふとしたことで和んでいく様子を、深海のイメージによせて描く六作品。

ところで、いろんな所に出てくる〈ワタナベ・ノボル〉とは何ものだろう?


「ファミリーアフェアー」が、お勧めです。

何度も読みかえしたほど。

妹の結婚話を機に、少しずつ、変わり始める「僕」と「妹」の関係。
それは、あたりまえのように繰り返されていた「僕」の日常の中に、「戸惑い」をもたらした。

「僕」が、変わっていく「妹」との関係を透かして、変わろうとしている「日常」をぼんやりと眺め、受け入れていこうとする… 

そんな「僕」の心の奥に見え隠れしている「妹」への優しさが、この話を包んでいます。

いつもの村上春樹ワールドに、どこかしらの優しさがブレンドされて、ほっとさせられる1話でした。



「ねじまき鳥クロニクル」の序章となる「ねじまき鳥と火曜日の女たち」を含む短編集。

ちょっとした日常が、なにかによって損なわれてしまう人達の話。

そして、もとに戻れなくなってしまう人達の話。

それをどう受け止めるのか?

アンチクライマックスの先に、何かが見える作品。


梅雨明けの涼しい青空の下、オープンカーの幌を上げて まっすぐに続く道をドライブしているかのような短編集。
(あくまで個人的印象)

パン屋は襲撃され、象は消滅し、妹は結婚すると言い出し、 あれから3年経ち、強風の中日記のためのメモを書く男がいて、 スパゲティーは茹で上がる寸前。

カラッと笑えて、余計なことなんか考えずに 「ああ面白かったな」と思える。

旅の友に読むのにとてもいい本だと思う。



村上春樹の短編集の中で最も好きな作品。
一編一編のクオリティが非常に高い。


●「パン屋再襲撃」

まず、この「再」襲撃の意味についてだが、登場人物は短編集「カンガルー日和」の中で若い頃に一度パン屋を襲撃した過去を持つ。
だから、「カンガルー日和」を事前に読んだことがあれば倍増とまでいかなくても、楽しさは増す。
そして、当時のパン屋襲撃の呪いが今は結婚した夫婦に襲いかかる。
呪いによって真夜中に激しい空腹感に苛まれた夫婦は、車を走らせ「マクドナルド」を襲うことにした。
夫婦の呪いは解くことができるのか。


●そして、これも名作「象の消滅」。

町で飼育していた象がある日突然、飼育員とともにこつ然と姿を消してしまう。
それは状況から見て明らかに逃げたのではなかった。
消滅したのだ。
ただ、そんなことは誰も信用しないが「僕」だけは人に言えないものを目にしていたのだった。


●「ファミリー・アフェア」

村上春樹の作品で主人公の兄弟が主体的に登場する物語はあまりないので、この作品は非常に珍しい。
兄と妹のファミリー・アフェアが描かれる。
村上作品にいつも登場するような、社会を斜に構えて見ている「僕」に対して現実的な「妹」。
その妹が婚約した。
相手の男との関係の中で見せる兄妹の掛け合いが、非常にユーモラス。
兄妹とはいえ、これほどコミカルに人間関係が描かれる村上作品が他にあるだろうか。


●「双子と沈んだ大陸」

この双子は「ピンボール」に登場する双子。
主人公はこの双子が家から出て行ってしまった後に、偶然雑誌の写真で彼女達を発見する。
そして、主人公が勤める事務所の隣の歯科医院には「笠原メイ」と言う名の女の子がいる。
「ねじまき鳥」に登場する「笠原メイ」の名前はここからとられたのだろうが、キャラクターはまったく異なっている。
全体として、初期の村上春樹の乾いた雰囲気を思い起こさせる。

「ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界」
短編ならではの言葉遊び。


●「ねじまき鳥と火曜日の女たち」

これは題名とおり長編の「ねじまき鳥」のベースになっている作品。
長編の初めの部分が、ほぼこの時点で出来上がっていたということがわかる。
長編の「ねじまき鳥」を読んだ人なら、この短編からあれだけの長編にまで膨らんでいく、作家の仕事について思いを馳せることになる。

やっぱり名作だ。




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【2010/12/17 05:21 】 | 未選択 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
●おすすめの本「カンガルー日和」村上 春樹
都会のメルヘンを綴るショートストーリー集時間が作り出し、いつか時間が流し去っていく淡く懐かしい気分に満ちた独特のハルキ・ワールド。

都会の点景を描く魅力の短編18編。
佐々木マキの絵11点を収


時間が作り出し、いつか時間が流し去っていく淡い哀しみと虚し

都会の片隅のささやかなメルヘンを、知的センチメンタリズムと繊細なまなざしで拾い上げるハルキ・ワールド。

ここに収められた18のショート・ストーリーは、佐々木マキの素敵な絵と溶けあい、奇妙なやさしさで読む人を包みこむ。


目立って超有名!!という作品が収録されているわけではありませんが、いずれもはずれのない短編集です。

お茶の時間や、電車の中でも気軽に手にとって読めるのではないでしょうか。

文庫、ハードカバー共に収録作品に違いはありませんが、私はこちらのハードカバーバージョンをお薦めしたいです。

何と言っても見た目が可愛らしい(^-^;)ので・・・

ムラカミ作品ではおなじみの佐々木マキさんの表紙・イラストはもちろん、ケースから取り出した時に見えるきれいなイエローの本体や、真四角に近い形がポップな印象を強めます。


価格的には確かに文庫よりお高いですが、手元においておきたい1冊。



村上春樹の 充実した長編小説や 端正な短編小説集に比べて 本書での村上は 実にリラックスしている。

軽い話をさらりと書いているだけだ。

村上春樹の初期の短編集であるわけだが 当時の村上春樹のエッセンスに満ちている。

そう 村上春樹は お洒落で スタイリッシュで カルトな小説家だったのだ。

 

今の村上春樹を知っている我々である。

ノーベル賞すら噂される文豪になった村上春樹だが このカンガルー日和を読み返すと懐かしいものがある。

これを読んでいた20年前を思い出す。

喫茶店に一人で入って ぼんやり本書を読むことが素敵だった事を思い出す。

あれから 小生も遠いところに来てしまったと感慨にふける。それも人生か。




他の短編の中には「羊をめぐる冒険」に出てくるいくつかのシーンを見つけることができる。

雪の降る札幌の町、そして羊男。

長編の断片を見るようで、ファンとしてはやっぱり楽しい。

僕だけが年を取る





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【2010/12/15 23:08 】 | 未選択 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
●おすすめの本「中国行きのスロウ・ボート」村上春樹

青春の追憶と内なる魂の旅を描く表題作ほか6篇。

著者初の短篇集。


村上春樹、初期の珠玉の短編集。特に「最後の午後の芝生」は青春の一場面を、断面的にさっと切りとったような爽快さともの悲しさが感じられる、彼ならではの傑作ではないかと思います。

感情を抑制しつつ、押さえられているが故により印象的な情感を簡潔にクロスさせながら物語は進行していきます。

実際に読んだのは、もう二十年近く前ですが、(なんと毎年)夏がくると読みたくなり、そのたびに読み返しています。

本来的に彼の(少なくともこの頃は)文章に向かう能力というものは、歯切れの良い短編向きだったのではないか、という感を強く持つ代表作。


村上春樹、初期の短編集です。

短編集はこの他にも幾つか出ていますし、僕も幾つか読みましたが、僕はこの短編集が一番気に入っています。

決して稚拙ではないけれど、どこか危うくバランスを崩しそうな、積み木のような作品たちが詰まっています。

僕は「シドニーのグリーン・ストリート」がお気に入りです。

2000年以降の作品しか読んだことがない方には、是非手に取ってほしい一冊です。

 

著者の第一短篇集。七つの短篇が入っています。初出掲載は、次のとおり。

『中国行きのスロウ・ボート』――「海」1980年(昭和55年)4月

『貧乏な叔母さんの話』――「新潮」1980年12月

『ニューヨーク炭鉱の悲劇』――「ブルータス」1981年3月

『カンガルー通信』――「新潮」1981年10月

『午後の最後の芝生』――「宝島」1982年8月

『土の中の彼女の小さな犬』――「すばる」1982年11月

『シドニーのグリーン・ストリート』――「海」臨時増刊「子どもの宇宙」1982年12月


 
なかでは、随分久しぶりに再読した『午後の最後の芝生』が、やっぱり素敵だった。

この作品のみずみずしい香り、主人公の十八か十九歳の夏の思い出の風景は、本当に魅力的で、ただ好きだ、としか言えない。

主人公の青春の気分が、透明な清々しさをたたえたタッチで、実に品よく描かれているから。

格別、次の二箇所の文章に惹かれた。

≪空には古い思いでのように白い雲が浮かんでいた。≫

≪日の光が僕のまわりに溢れ、風に緑の匂いがした。蜂が何匹か眠そうな羽音を立てながら垣根の上を飛びまわっていた。≫
 

それと、『シドニーのグリーン・ストリート』に挟まれた三枚の挿絵(飯野和好)が、いいね。

私立探偵の「僕」、ウェイトレスの「ちゃーりー」、ぶっきらぼうで乱暴な「羊博士」の三枚の挿絵。

 

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【2010/12/13 20:40 】 | 未選択 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
●おすすめの本「1Q84」村上春樹
1949年にジョージ・オーウェルは、近未来小説としての『1984』を刊行した。
そして2009年、『1Q84』は逆の方向から1984年を描いた近過去小説である。

そこに描かれているのは「こうであったかもしれない」世界なのだ。
私たちが生きている現在が、「そうではなかったかもしれない」世界であるのと、ちょうど同じように。



村上春樹作品といえば「あきらめようよ。現実を受け入れよう」と主張する作品がほとんどだった。

君たちは理想郷を思い描くけれど、僕らは現実の世界で生きていくしかないんだ。

ここで現実を受け入れるしかないんだ、と。

この作品では駄目だと思ったら場所を移せと言っている。

30年前「風の歌を聴け」で同じ作者が主人公に言わせたのは、「どこも同じさ」というセリフだった。
でも同じじゃない。
月が二つある世界に留まっちゃいけない。猫の街に留まっていたんじゃ、どうにもならないこともある。

そこでは一歩を踏み出す勇気が、親しい人に別れを告げる勇気が、そしてうまく行かない理由が自分にあるのではない、環境が変われば自分はうまくやれるんだ、と自分やまだ見ぬ別世界の可能性を信じることも、必要になるのだろう。

興味深い登場人物がたくさん現れるけれど、彼らの一人一人について、猫の街に留まってしまった人なのかどうか、留まってしまったのだとしたらなぜなのか。
いろいろ考えてみると話が長くなりすぎるほどテーマが詰め込んである。

天吾の父親はまるで古い村上春樹作品の主人公が年老いた姿のようにも見える。

完全に自立し、誰にも何も期待せず、諦めてしまった人の姿。神や救世主に依存するカルト信者たちと、完全に絶望し生きる力を失った老人。

逃げた先で悲劇に見舞われた不倫女。

暴力夫から逃げ出せない妻。

愛されることを諦めた野獣。

救世主の正体を確かめる勇気が湧かない人々。


猫の街に迷い込むことも、そこに住んでいる誰かに会いに行かねばならないこともあるだろう。

でもそこで死後の救済を待ち続けるような人にだけはなっちゃいけない。

汽車が迎えに来なくても、線路を歩いてゆく行動力が必要だ。



村上さんの作品に出口はないと思っていました。

でも、book1と2を読み終えた時点で、ノルウェーの森では助けることの出来なかったものを、ここでは助けられるのではないかと強く感じました。

そして、このbook3を読んで”ある種の問題は、それが起きたときと同じ次元では解決できない”と言う言葉を思い出しました。

リサランドールという科学者が探している異次元と、この作品の中に出てくる月が二つ見える世界は同じなのではないかと思います。

現実と村上春樹の世界は実は同じだったと言うことになってほしいと僕は思っています。

この内容がまったく現実離れをしていると思う人もいると思いますが、すでに月を二つ目にしている読者もいると思っています。

こういう世界が、もっとたくさんの人の心の中に入っていき、それぞれが見ている現実をもう一度疑う機会になればいいと思います。

できれば、たとえて言うなら、二つ月が見えることもおかしくないと思えるような状況が増えればいいと思うのです。

book4が気になりますが、青豆のように自分の世界を自分が決めることを強く思い生活していきたいです。


しかし、こういう形でこれからの世界を表現してくるところに、僕は強く親しみを感じます。

僕のいる世界だからでしょうか、こういうことが増えていくことを願ってやみません。



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【2010/12/13 16:52 】 | 未選択 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
●おすすめの本「アフターダーク」村上春樹
真夜中から空が白むまでのあいだ、どこかでひっそりと深淵が口を開ける。
「風の歌を聴け」から25年、さらに新しい小説世界に向かう村上春樹書下ろし長編小説

マリはカウンターに置いてあった店の紙マッチを手に取り、ジャンパーのポケットに入れる。
そしてスツールから降りる。
溝をトレースするレコード針。
気怠く、官能的なエリントンの音楽。
真夜中の音楽だ。


近年の村上作品の特徴である形而上学的な三人称の語りが、この作品では全体を通してとても色濃く用いられている。

内容としては、現代を生きる我々にとって、目を背ける事の出来ない問題が掲げられている。
情報化社会の只中で、何を信じて生きていくのか。
一夜を細かい時間で区切って、一冊で描ききるという手法は新しく、妙にリアルを感じて、それが逆に怖かった。

また、村上作品には、良くも悪くも、博識なキャラクターが、文学や哲学について語る場面が印象的だが、この作品ではそういった場面が皆無であり、そしてマリの読んでいる「分厚い本」のタイトルが最期まで明かされず、マリが「ファミレスでじっと本を読んでるのも、だんだん辛くなってきたみたい」と言うなど、今までに無い現実的な描写が印象的だった。

村上氏は某文芸誌で、この『アフターダーク』について、「出来るだけ簡単な文章で、出来るだけ複雑な話を書く」と言っていたことが強く印象的だったが、正にその通りの作品だと思う。もう少し評価されてもいい作品。

一晩で読み通せる長さも現代的。


冒頭、アラン・ロブ=グリエの小説を思わせる、しつこいまでの情景描写から入っていく。
その意味では、この小説の主人公は視点を共有する読者なのかもしれない。

そして、ファミレスで出会う若い女性と男性を中心に、その姉、ホテルに置き去りにされた中国人売春婦とホテルの経営者、顔のない男などがからみあって、時間が進行する。
 
村上にとって、大きなターニングポイントとなったのは、阪神大震災と地下鉄サリン事件だった。
これまで、村上は個人の内部にある「やみくろ」を相手にしてきた。

でも、実際には「やみくろ」は地下に存在し、本当にそこから出てきて人を陥れる。
だとすれば、作家として村上は現実にコミットしていく必要性を感じることになる。

その結果が、「アンダーグラウンド」とその続編であり、「神の子供たちはみな踊る」であり、「ねじまき鳥クロニクル」におけるノモンハン事件であった。

その中でも、「アフターダーク」は「神の子供たちはみな踊る」をもう一歩進めたものといえる。
地震が起きた時間、みんなは何をしていたのか、そのことがあの連作短編集を支えていたのだとすれば、「アフターダーク」は任意の深夜を切り取ったとき、それぞれの人生はどうなっているのか、ということになる。
 
結論じみたことを言ってしまえば、本書の中には罠も用意されており、100%ハッピーエンドとはいかない。

それでも、人が前に進む意思が少しでもあれば、何とかやっていける。闇はまたやってくるのだけれども。



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【2010/12/13 06:15 】 | 未選択 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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