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第1位 村上春樹の初期の「僕とねずみの三部作」 ●「風の歌を聴け」村上春樹 村上春樹のデビュー作 1970年夏、あの日の風は、ものうく、ほろ苦く通りすぎていった。 僕たちの夢は、もう戻りはしない。 群像新人賞を受賞したデビュー作 1970年の夏、海辺の街に帰省した<僕>は、友人の<鼠>とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。 2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、<僕>の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。 青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。 群像新人賞受賞。 「村上春樹の原点」です。 こんな小説を書く作家がいたなんて、びっくりした。 その後の村上ワールドを堪能するためには必読です。
数ある村上春樹の小説の中でもこの第一作目は特に”日本的”でなく、しゃれた会話が交わされる。 今まで読んだことのないタイプの小説だった。 作品中の主人公は「文章について多くをデレクハートフィールドに学んだ」という。 この本を初めて読んだ人の中でまずこの作家の存在を疑う人はいないだろう。 今では周知のこととなっているがハートフイールドは村上氏が作り上げた架空の作家なのであるが、当時は実在する作家だと信じハートフィールドの作品を書店に問い合わせる人が絶えなかったほど
ではこのモデルは誰?ブラッドベリ?ロバートEハワード? という風にハートフイールドについてその後もちょっとした論争があったほどである。
作品をストレートに読んだ後は埋め込まれた記号や数字を探し出すという楽しみも味わえるので、村上春樹の小説は二度も三度も楽しめてお得感が高い。
文庫本のカバーをとって中を見たことのある人はいるでしょうか? 佐々木マキさんが書かれたカバーをめくってみてください。 こんなところまで楽しめちゃいます。
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