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これまた、僕にドンピシャの小説。 僕は中学生の頃、陸上競技の100mと三段跳び、400mリレーをやっていた。 この『一瞬の風になれ』は高校生の陸上への、そして人生へのひたむきさを見事を描いた作品になっている。
主人公である新二の周りには、2人の天才がいる。 サッカー選手の兄・健一と、短距離走者の親友・連だ。 新二は兄への複雑な想いからサッカーを諦めるが、連の美しい走りに導かれ、スプリンターの道を歩むことになる。
どこまでも速くなること。 信じ合える仲間、強力なライバル、気になる異性。 神奈川県の高校陸上部を舞台に、新二の新たな挑戦が始まった――。
新二が走る100m、200m、400mなどを中心に、各競技のスピード感や躍動感が迫力を持って伝わってくる。 特に、本書の山場とも言える4継(4人がバトンをつないで合計400mを走るリレー)では、手に汗握る大熱戦が展開される。 丁寧な人物描写も、物語に温かみを与えている。 生き生きと描かれる登場人物たち、彼らが胸に抱えるまっすぐな想い。 その1つひとつが、小説全体に流れる爽やかさを生み出し、読み手の心を強く揺さぶるのだ。 何かに、ひたむきに打ち込むこと。 風のように疾走する新二や連を追ううちに、読者は、重たい現実を一瞬だけ忘れ、彼らと同じ風になることができるのだ。
しかし書いてあることを要約すれば 「高校生の男が走る」という、ただそれだけだ。 セックス・シーンは皆無。暴力もふるわれない。 人が死ぬ場面もない。 主人公や恋人が 突然白血病になったりしない。 通俗的なドラマで話を盛り上げるために導入される要素が ほとんどない。 それでいて読後には読む前とは異なる世界が眼前に拡がる。 もしかしたらこの世の中はすごく魅惑的なものかも。 そう感じて生き返った気がする。
走るというシンプルなことからも、希望や真実は伝わる。
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