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【2024/04/26 16:23 】 |
●おすすめの本「パン屋再襲撃」村上 春樹
微妙にくい違った人と人の心が、ふとしたことで和んでいく様を、ユーモアとペーソスをまじえ、深海のイメージによせて描く作品集


彼女は断言した、「もう一度パン屋を襲うのよ」。

学生時代、パン屋を襲撃したあの夜以来、彼にかけられた呪いをとくための、このたくらみの結果は…。

微妙にくい違った人と人の心が、ふとしたことで和んでいく様子を、深海のイメージによせて描く六作品。

ところで、いろんな所に出てくる〈ワタナベ・ノボル〉とは何ものだろう?


「ファミリーアフェアー」が、お勧めです。

何度も読みかえしたほど。

妹の結婚話を機に、少しずつ、変わり始める「僕」と「妹」の関係。
それは、あたりまえのように繰り返されていた「僕」の日常の中に、「戸惑い」をもたらした。

「僕」が、変わっていく「妹」との関係を透かして、変わろうとしている「日常」をぼんやりと眺め、受け入れていこうとする… 

そんな「僕」の心の奥に見え隠れしている「妹」への優しさが、この話を包んでいます。

いつもの村上春樹ワールドに、どこかしらの優しさがブレンドされて、ほっとさせられる1話でした。



「ねじまき鳥クロニクル」の序章となる「ねじまき鳥と火曜日の女たち」を含む短編集。

ちょっとした日常が、なにかによって損なわれてしまう人達の話。

そして、もとに戻れなくなってしまう人達の話。

それをどう受け止めるのか?

アンチクライマックスの先に、何かが見える作品。


梅雨明けの涼しい青空の下、オープンカーの幌を上げて まっすぐに続く道をドライブしているかのような短編集。
(あくまで個人的印象)

パン屋は襲撃され、象は消滅し、妹は結婚すると言い出し、 あれから3年経ち、強風の中日記のためのメモを書く男がいて、 スパゲティーは茹で上がる寸前。

カラッと笑えて、余計なことなんか考えずに 「ああ面白かったな」と思える。

旅の友に読むのにとてもいい本だと思う。



村上春樹の短編集の中で最も好きな作品。
一編一編のクオリティが非常に高い。


●「パン屋再襲撃」

まず、この「再」襲撃の意味についてだが、登場人物は短編集「カンガルー日和」の中で若い頃に一度パン屋を襲撃した過去を持つ。
だから、「カンガルー日和」を事前に読んだことがあれば倍増とまでいかなくても、楽しさは増す。
そして、当時のパン屋襲撃の呪いが今は結婚した夫婦に襲いかかる。
呪いによって真夜中に激しい空腹感に苛まれた夫婦は、車を走らせ「マクドナルド」を襲うことにした。
夫婦の呪いは解くことができるのか。


●そして、これも名作「象の消滅」。

町で飼育していた象がある日突然、飼育員とともにこつ然と姿を消してしまう。
それは状況から見て明らかに逃げたのではなかった。
消滅したのだ。
ただ、そんなことは誰も信用しないが「僕」だけは人に言えないものを目にしていたのだった。


●「ファミリー・アフェア」

村上春樹の作品で主人公の兄弟が主体的に登場する物語はあまりないので、この作品は非常に珍しい。
兄と妹のファミリー・アフェアが描かれる。
村上作品にいつも登場するような、社会を斜に構えて見ている「僕」に対して現実的な「妹」。
その妹が婚約した。
相手の男との関係の中で見せる兄妹の掛け合いが、非常にユーモラス。
兄妹とはいえ、これほどコミカルに人間関係が描かれる村上作品が他にあるだろうか。


●「双子と沈んだ大陸」

この双子は「ピンボール」に登場する双子。
主人公はこの双子が家から出て行ってしまった後に、偶然雑誌の写真で彼女達を発見する。
そして、主人公が勤める事務所の隣の歯科医院には「笠原メイ」と言う名の女の子がいる。
「ねじまき鳥」に登場する「笠原メイ」の名前はここからとられたのだろうが、キャラクターはまったく異なっている。
全体として、初期の村上春樹の乾いた雰囲気を思い起こさせる。

「ローマ帝国の崩壊・一八八一年のインディアン蜂起・ヒットラーのポーランド侵入・そして強風世界」
短編ならではの言葉遊び。


●「ねじまき鳥と火曜日の女たち」

これは題名とおり長編の「ねじまき鳥」のベースになっている作品。
長編の初めの部分が、ほぼこの時点で出来上がっていたということがわかる。
長編の「ねじまき鳥」を読んだ人なら、この短編からあれだけの長編にまで膨らんでいく、作家の仕事について思いを馳せることになる。

やっぱり名作だ。




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【2010/12/17 05:21 】 | 未選択 | 有り難いご意見(0) | トラックバック()
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