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2001年の正月、酩酊しつつテレビを見ていた三浦しをんの脳内に天啓のような閃きが駆け抜けた。 「箱根駅伝いいっす。これは小説になる!」 以来、駅伝経験者を訪ね、H大とD大に取材を申し込み、早朝の練習や高原の夏合宿に随行、記録会や予選会を見学、そして、もちろん正月は「箱根」へ、と徹底取材を敢行。 構想・執筆6年、ここに本邦初の王道「青春小説」が誕生した。 箱根駅伝をめざす若者たちを通して、自分と向き合い、ひとり孤独に戦いながらも、確実に誰かとつながってゆく生きるための真の「強さ」を高らかに謳いあげた青春小説。
寛政大学4年の清瀬灰二は肌寒い三月、類まれな「走り」で夜道を駆け抜けていく蔵原走に出くわし、下宿の竹青荘に半ば強引に住まわせる。 清瀬には「夢と野望」があった。 もう一度、走りたい、駅伝の最高峰、箱根駅伝に出て、自分の追求する走りを見せたい。 その「夢と野望」を「現実」にするにはあと一年しかない。 そしていま強力な牽引者が彼の目の前に現れたのだ。
清瀬は彼らを脅しすかし、奮い立たせ、「箱根」に挑む。 たった十人で。蔵原の屈折や過去、住人の身体能力と精神力の限界など、壁と障害が立ちはだかるなか、果たして彼らは「あの山」の頂きにたどりつけるのか。
ただ、この『風が強く吹いている』を読むと、「箱根駅伝」が3倍は楽しめる。
僕は自分も中学校時代は「短距離」をやり、働き始めてからは「駅伝」と「フルマラソン」を走っているので、ここに登場する若きランナー達の心理描写がたまらなく良かった。 でも、じゃ、走ったことが無い人は、この本がつまらないかというと、とんでもない! 「なるほど、こんなことを考えて走っているのね。」と思えるし、「何故、苦しいのに走るのか?」という疑問にも答えてくれる。
「駅伝」という孤独でありながら、チーム仲間意識を強烈に感じさせる競技だからこそ、実際の駅伝でもドラマが生まれるし、フィクションにおいても読む人に感動を与えてくれる。 これは「駅伝」というスポーツを通して人間がどん底から成長していき、チームの中に愛しいほどの戦友が生まれるまでを描いた、天下一品の青春群像ドラマになっている。
最近、生活や思考がすさんでいるな、と思っている人には特にお勧めします。
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高校ボクシング部を舞台に、天才的ボクシングセンスの鏑矢、進学コースの秀才・木樽という二人の少年を軸に交錯する友情、闘い、挫折、そして栄光。 二人を見守る英語教師・耀子、立ちはだかるライバルたち......。 様々な経験を経て二人が掴み取ったものは!? 『永遠の0』で全国の読者を感涙の渦に巻き込んだ百田尚樹が、移ろいやすい少年たちの心の成長を感動的に描き出す傑作青春小説! ボクシング小説の最高傑作がいま誕生した!
導入がいい。厚めの本は、導入の数ページで挫折したくなるものが多いが、導入の2ページで既に吸い込まれる。 放送作家という、飽きっぽい観客を対象にしたTV映像の世界で生きてきた作者ならではなのか。 この本の読者の真の対象はいわゆる「青春まっさなか」世代ではないような気がする。 中心となる高校生達を、多くの大人たちがそれぞれ過ごしてきた人生と価値観を元に囲み、 それぞれの思いで、彼らに対して行く。 リミットを超える瞬間を求め、情熱を取り戻す喜びを、是非体感して欲しい。
熱い話である、胸すく話である、それでいて胸が締めつけられる話でもある。 とにかく、グッとくる事請負の小説。 物語は、優紀と、高校のボクシング部顧問の耀子の視点で終始展開する。 ふたりと、共通の“大きな存在”鏑矢、誰に感情移入しても面白く読めるが、個人的には優紀の“物語”により共感を持って読んだ。
ボクシングは相手の運動能力を破壊する目的で人体の急所ばかりを狙って殴る格闘技。 本編中に語られる定義は、このスポーツの本質を明確に言い表している。 これはまた、本格的なボクシング小説。 ルール、トレーニング、テクニック、戦術、闘争本能、そして精神世界と、ここまで細部に渡って描写された小説を知らない。 鏑矢を始め、ボクシング部員たちも、優紀、友野ら優等生たちも、皆嫌味なく清々しく書き込まれていて、いまどきこんな純粋な若者たちばかりなのかとも思うが、やはり好感が持てる。 ずば抜けて才能がある者と、絶え間ない努力でその位置に上ろうとする者。 “努力”、“天才”、“才能”、“一流”の本質について見事に言い得ているのも魅力的だ。 若い人はもちろん、かって若者だった人や女性にも是非お薦めの1冊と言っておきたい。
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逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか…。 東京から名古屋へ、女たちにかくまわれながら、小豆島へ。 偽りの母子の先が見えない逃亡生活、そしてその後のふたりに光はきざすのか。 心ゆさぶるラストまで息もつがせぬ傑作長編。 第二回中央公論文芸賞受賞作。 もとは’05年11月から’06年7月まで「読売新聞」夕刊に連載された、直木賞作家・角田光代の“泣ける”感動作。 ’06年に創設された「中央公論文芸賞」の’07年第2回の受賞作。
そのDVDも発売されている。 また’11年4月には永作博美、井上真央出演で映画化、29日からGW全国ロードショーもされる。
彼女により薫と呼ばれて暮らし、希和子逮捕と共に本当の親元へ帰され、今は大学生となった秋山恵理菜。 しかし恵理菜もまた妻子ある男の子供を身ごもる。 希和子と薫の逃亡生活を三人称で1章、2章では一人称で主に恵理菜のことを描きながらも希和子事件の実際のあらましにも触れている。 この小説からは、このふたりの“母性愛の強さ”を感じないではいられなかった。 世間一般には「犯罪」として、また「愚かな女」として「間違ったこと」をしたシチュエーションだろうけれども、すべてを捨ててもただひとつの大切なものを守りたいという思いが行間から切々とうかがわれるからである。
新聞連載小説でありながらこれほど魂が揺さぶられる物語を読んだのは、吉田修一の『悪人』以来であった。 とりわけ、ラスト数ページの希和子の描写が、ここまで読んできた者のこころをしっかりと捉えており、言葉ではいえないほどの余韻を残している。
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